四十代を迎えた頃、ふとエレベーターの防犯カメラの映像に映った自分の頭頂部を見て、地肌が白く浮き出ていることに愕然としたのが私の悩みのはじまりでした。それまで髪の美しさには自信があっただけに、鏡を見るたびに自分の老いを見せつけられているような気がして、外出することさえ億劫になるほど落ち込む日々が続きました。必死に分け目を変えて隠そうとしても、夕方には髪がぺたんこになり、他人の視線が自分の頭頂部に集中しているのではないかと疑心暗鬼になっていました。そんな私を変えてくれたのは、薄毛に悩む女性に寄り添ってくれるヘアスタイリストとの出会いでした。彼女は私の不安を丁寧に聞き取った上で、髪を無理に隠すのではなく、頭皮そのものを健康に育むという考え方を教えてくれました。まず実践したのはシャンプーのやり方の根本的な見直しです。それまでは汚れを落とすことばかり考えてゴシゴシ洗っていましたが、顔のスキンケアと同じように頭皮も優しく扱うようにし、洗った後の保湿としてスカルプエッセンスを導入しました。お風呂上がりに温まった頭皮にエッセンスを馴染ませ、深呼吸をしながら五分間のセルフマッサージを行う時間を自分へのご褒美にしました。食生活でも、忙しさにかまけてパンや麺類で済ませていた昼食を、お豆腐や卵、海藻を取り入れた定食形式に変え、髪に必要な栄養を意識的に摂るようにしました。睡眠も質を重視し、寝る前のスマートフォンを控えて体をリラックスさせるように努めたところ、三ヶ月を過ぎた頃から髪の毛一本一本に力強さが戻り、洗髪時の抜け毛が明らかに減っていることに気づきました。美容室でも、トップにレイヤーを入れたりパーマをかけたりして自然にボリュームが出るスタイルを提案してもらい、今では無理に隠さなくても自然なスタイルを楽しめるようになっています。薄毛という悩みは私にとって自分自身の体と心を見つめ直すきっかけとなり、適切なケアをすれば体は必ず応えてくれるという自信を与えてくれました。以前は恐怖でしかなかった鏡の前の時間が、今では自分の変化を楽しむための大切な時間へと変わっています。もし一人で悩んでいる女性がいたら、諦める前にまずは自分を労わる小さな習慣から始めてほしいと心から伝えたいです。一歩を踏み出す勇気が、きっと新しい自分に出会うための扉を開いてくれるはずですから。
鏡を見るのが怖かった私が頭頂部の薄毛を乗り越えて自信を持つまで