「親がハゲているから自分も終わりだ」と遺伝を理由に諦めている人は多いですが、遺伝子の影響力は絶対的なものではなく、あくまで「確率」と「傾向」に過ぎないということを正しく理解する必要があります。AGA(男性型脱毛症)の発症には遺伝的要因が大きく関わっており、特に母方の祖父が薄毛である場合、その遺伝子(X染色体上のアンドロゲン受容体遺伝子)を受け継いでいる確率は高くなります。また、父親が薄毛の場合も5αリダクターゼの活性度などの体質を受け継いでいる可能性があります。統計的には、薄毛の家系に生まれた人はそうでない人に比べて数倍のリスクを持つと言われています。しかし、遺伝子を持っていることと、実際に発症することはイコールではありません。遺伝子はあくまで「設計図」であり、スイッチが入らなければ発動しないのです。そのスイッチを押すのが、不規則な生活、ストレス、間違ったヘアケアといった環境要因です。一卵性双生児であっても、生活環境が異なれば薄毛の進行度合いに大きな差が出るという研究結果もあり、これは遺伝が全てではないことを証明しています。つまり、ハゲやすい遺伝子を持っていても、それを発現させないような生活を送れば、フサフサな状態を維持することは十分に可能なのです。逆に、遺伝的リスクがない人でも、不摂生を続ければ後天的に薄毛になることもあります。親の頭を見て嘆くのではなく、「自分にはハゲやすい体質がある」という事実を早期警戒アラートとして受け取り、人一倍気を使ってケアを行うためのモチベーションに変えることができれば、遺伝という宿命を乗り越えることは決して不可能ではないのです。現代人の必須アイテムであるスマートフォンですが、夜遅くまで布団の中でスマホを見続ける「寝る前スマホ」の習慣は、現代的なハゲやすい人の最大の特徴であり、髪を殺すサイレントキラーです。そのメカニズムは大きく分けて二つあります。一つは「ブルーライトによる睡眠障害」です。スマホから発せられるブルーライトは脳を覚醒させ、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制してしまうため、寝つきが悪くなったり眠りが浅くなったりします。髪の毛の成長やダメージ修復を行う成長ホルモンは、入眠後の深い睡眠中に最も多く分泌されるため、睡眠の質が低下することは、髪の成長時間を奪うことと同義です。
親のハゲ遺伝子はどこまで影響するのか