私の髪の悩みは、物心ついた時からくせ毛であること、そして30代になってからは薄毛であること、この二つが常にセットでした。思春期の頃、湿気でうねり広がる髪が何よりもコンプレックスで、初めて縮毛矯正をかけた時の感動は今でも忘れられません。サラサラと指通りの良いストレートヘアを手に入れた私は、それから年に三回、欠かすことなく縮毛矯正をかけ続ける生活を送っていました。しかし、十年以上が過ぎた頃、鏡の中の自分を見て愕然としました。確かに髪は真っ直ぐなのですが、頭頂部がぺたんと潰れ、分け目がくっきりと一本の線のように目立っているのです。髪をかき上げても、根元にふんわり感が全くなく、地肌が透けて見える。くせ毛という悩みは解消されたけれど、代わりに「薄毛に見える」という新たな、そしてより深刻な悩みが私を襲いました。シャンプーのたびに増える抜け毛(後から思えば、その多くは切れ毛でした)に怯え、もう縮毛矯正をやめるべきか、でも、あのうねる髪に戻るのは耐えられない、と袋小路に迷い込んでいました。転機が訪れたのは、友人の紹介で訪れた新しい美容院でのことでした。美容師さんは私の悩みをじっくりと聞き、髪と頭皮を丁寧に診断した上で、「縮毛矯正をやめるのではなく、付き合い方を変えましょう」と提案してくれたのです。彼が提案してくれたのは、根元1センチを避けて薬剤を塗布する技術、髪への負担が少ない弱酸性の薬剤への変更、そして徹底したトリートメントによるダメージケアでした。施術後の仕上がりは、以前のような針金のようなストレートではなく、自然な丸みを帯びた柔らかいストレート。そして何より、根元がふんわりと立ち上がっているのです。あの日から、私は縮毛矯正との「戦争」をやめました。信頼できるプロと相談し、正しい知識で自分の髪をケアする。そうすることで、くせ毛も薄毛の悩みも、私の一部として上手に付き合っていけるのだと、ようやく気づくことができたのです。