AGA治療を検討する際に最も信頼できる指標となるのが日本皮膚科学会が作成している男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインですが最新のガイドラインにおいて低出力レーザー照射がどのような位置付けにあるのかを正確に理解しておくことは科学的根拠に基づいた治療を選択する上で非常に重要です。このガイドラインでは様々な治療法がその有効性と安全性に基づいてAからDまでの推奨度でランク付けされておりAは行うよう強く勧めるBは行うよう勧めるC1は行ってもよいC2は行わないほうがよいDは行うべきではないと分類されていますが低出力レーザー治療はこの中でBランクすなわち行うよう勧めるという評価を獲得しておりこれはフィナステリドやデュタステリドそしてミノキシジルといったAランクの治療薬に次ぐ高い評価でありアデノシンなどの有効成分と同等もしくはそれ以上の信頼性があることを意味しています。かつては眉唾物として扱われることもあったレーザー育毛ですが数多くのランダム化比較試験やメタアナリシスによってその有用性が証明された結果として医学的なガイドラインにおいても推奨される治療法としての地位を確立するに至りました。具体的にガイドラインが根拠としているのは650nmから655nm付近の波長を用いた低出力レーザーあるいはLEDの照射が男女ともに脱毛症に対して有用であることを示す海外の臨床試験データであり例えば照射を行ったグループと偽の機器を使用したプラセボグループを比較した際に照射グループにおいて有意な毛髪数の増加が見られたという結果などが重視されています。特筆すべきは男性だけでなく女性型脱毛症に対してもBランクの推奨度となっている点であり女性の場合は使用できる内服薬が限られているため副作用のリスクが少なく自宅で手軽に行える低出力レーザーは有力な治療の選択肢として特に重要視されています。しかしながらガイドラインでは推奨度がBである一方で日本国内で承認されている医療機器が少ないことや保険適用外であることなどから広く普及するには至っていないという現状も指摘されており医師の指導のもとで適切に使用されることが望ましいという但し書きも読み取れます。またガイドラインの評価はあくまで現時点での科学的知見に基づいたものであり今後さらなるデータの蓄積や新しいデバイスの開発によって推奨度が変わる可能性もありますが現段階において医学的な専門家集団が効果を認めているという事実はインターネット上に溢れる怪しげな民間療法とは一線を画す信頼の証と言えるでしょう。注意すべき点はガイドラインで推奨されているのはあくまで特定の波長と出力を満たした適切な機器による治療であり市販されている安価なおもちゃのようなレーザーポインターなどで同様の効果が得られるわけではないということです。